アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの
ワタクシの尊敬するデザイナーさん2名に、強くおすすめされて急いで駆け込んだ展覧会。
柳本浩市展 「アーキヴィスト ー 柳本さんが残してくれたもの」
YANAGIMOTO KOICHI, ARCHIVIST
柳本浩市さん。デザインディレクター、コレクター、プロデューサーとして活躍しており、稀代の収集家として知られている方。
2016年春に46歳の若さで急逝されました。
彼が何を「収集」していたのかというと、とにかく興味があるもの「全て」。
3歳の頃から収集を始めた彼の<コレクション>は、アイテムだけで50億を超えるというからすごい。
を、超えて、ものっっっすごい!
この展覧会は、柳本さんの追悼展という形をとって、自由が丘のsix factoryにてコレクションの(ほんの)一部を展示する形で開催されていました。
会場に入ると、モノが集まった匂いがする。(しかし決してカビ臭いものではない)。
隙間なくきちっと置かれた小物類。
両手で慎重に持たないと落としてしまいそうな分厚く重たい雑誌の切り抜きを収めたファイルたち。
壁を埋め尽くすポスターや包装紙、テキスタイル etc etc。
とにかく膨大なモノを、集めるということ。
とにかく膨大にモノが、集まってるということ。
物量の存在感や物体の重さが迫ってくる。
『柳本氏をアーキヴィスト、つまりものを収集し、整理し、その価値を見きわめてアーカイヴをつくり、未来へ発展させていく人として捉え、彼の遺品を通してその思想と活動を伝えていく。』という展覧会のコンセプトが、膨大なモノたちを目の前にただ圧倒するだけの私たちに、彼のしたかったことを見事に説明してくれている気がする。
自分がデザインというものを仕事のひとつにした頃、人が使うために作られたものすべては、誰かが「デザイン」したんだとぼんやり思っていたことだったり、
そーいえばデジタルってこーゆー重みとして残せないんだよなーとか、
そんなあたりまえだけれど、普段は脳みそに引っかかることなく過ぎていく、確かな事実を再認識する。ひとの暮らしと営みについて想いを馳せました。
▲会場内のあちこちにあった、本人のコメントが面白くて、それを見つけ出すのもまた楽しい。”ディグ”るおもしろさもちょこっと体験させてくれる。
購入したパンフレットの最初の方に、彼について語る「混沌を怖れない」という言葉が載っていて、それがとても印象的に響いてきました。
この膨大な情報と物量を相手に、深く広く関わりを持ち続けることを厭わない姿勢は、未踏の地に突き進む冒険家と同じように果敢だと思いました。
世界を冒険する方法は、いろいろあるんだ。
会期: 2017年4月29日(土)~6月4日(日) 会期中無休
開場時間: 12:00-18:00
会場: six factory 東京都目黒区八雲3-23-20
入場料: 一般500円、大学生200円(学生証提示)、高校生以下無料
アクセスほか、こちら▼
Facebook: http://www.facebook.com/Yanagimoto.Koichi.Exhibition/
▲おそるべき丁寧さで描かれた手書き資料。例えば「インディゴ」の成分や化学式まで調べて書いてあった。
▲建築、旅行、ファッション、アートなどなど、様々な資料ファイルが閲覧でき、それぞれ興味ある棚の前で読みふける人々が。自分としてはやはり「写真」として分類された棚が気になる。
▲ご本人のtwitterやFacebookは今も残されていて、多くの言葉が蓄積されたまま。
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